ゲーム会

garapa2007-10-29

  • 久々のゲーム会でした。9月は合宿でしたし。
  • 今月はどうしても『上海トレーダー』をやりたくて、英語版を持参。ただ、まぁ長いゲームなんで、遊べないかなぁ、と思い、その他にも『郵便馬車』や『employ of the month』、『レムリカ銃士隊』なんかを持って行きました。あと、『迷宮コンクエスト』+『グレート・ウォー』。
  • そしたら、なぜか速水さんも『上海トレーダー』(日本語版)を持ってきていて。これは、今日は『上海トレーダー』を遊べという上部意志のお告げかなんかだと確信し、無理矢理遊んでみたり。
  • 『上海トレーダー』というのは、1920年の上海を舞台に、列強の手先の闇商人になって、様々な利権を背景に、搾取と恫喝と暴力によって私腹をこやしまくるゲームです。各プレイヤーは、上海にある公的機関や企業、宗教勢力などを牛耳って、色とりどりの特殊能力を得ます。この能力そのものが強力なのですが、実際には、その能力が重要なのではありません。その力は、このゲームの中心である共謀フェイズ──主に威圧と交渉のための背景として用いられるのです。「船を回してほしかったら……分かってますよね」、「警官を数名よこして欲しいのですよ。もちろん、お礼はお支払いいたします。何でしたら、うちの両替商を自由に使ってくださっても構いませんよ」というように。自分に有利な条件を引き出すための、材料でしかないのです。
  • 防御的な能力はともかく、攻撃的な能力は、一度使ってしまうと、非常に強い反感を買ってしまいます。もちろん、他人に使われる分には大層痛快なのですが、「もし自分に使われたら……?」と想像すると、それはそれは恐ろしいものばかりです。そうなってしまうと、他のプレイヤーは、大義名分のもとに団結し、よってたかってそのプレイヤーが、「力」を手放さざるを得ない状況に追い込もうとします。どんなに強力な力も、数の暴力には無力です。何せ上海には、数多くの職業的ならず者たちが無数にいるのですから。
  • そしてもちろん、約束は重要です。信用こそ、上海で最も大事なものといっていいでしょう。このゲームにおいて、もっとも重要なのは、共謀フェイズによる交渉なのですが、すべてが口約束のこの世界で、一度約束を破ったものは、相手にされません。使うといった能力は使うべきですし、払うといった金は払うべきです。もちろん、圧倒的に儲かると思ったときや、上海をずらかる準備ができたときは、その限りではありませんが。
  • 『上海トレーダー』とは、そうした楽しい恫喝とエレガントな誠意の見せ合いによって、上海でのお互いの人生を有意義で円滑なものにしたうえで、毎季節ごとに園遊会(サイコロを振って1・2が出ると羽目を外して2万$を失う)やルーレット(必ず1万$以上かけないといけない。サイコロを振って1か2が出ないと得をしない)など、楽しい催しに興じまくるという、何とも素敵なゲームなのです。
  • ただ、どんなに預金を増やしても、ゲーム終了時までに飛行機で上海を脱出しないと、革命に巻き込まれて死んでしまいます。また、飛行場に行けば、他のプレイヤーの放った暗殺者が待っているかもしれません。今回も、一番お金を稼いだあるプレイヤーは、大層な警備陣にもかかわらず、ゴルゴもびっくりのダイス目によって飛行場で暗殺されてしまいました。3時間にもおよぶプレイを、ダイス目一つでひっくり返す豪快(としか形容できない)なゲームデザインは、昨今のゲームシーンでは考えられませんが、非常に人の一生のはかなさを再現しており、これはこれで大変楽しいものでございます。
  • 結果、河嶋のフランス商人は、両替商、大東洋汽船、蘇州百貨店などを抑えて、堅実な商売に特化したのですが、革命に巻き込まれ、上海を脱出できませんでした。来るはずの飛行機が来なかったのです。まぁ、同じく空港で飛行機を待っていたプレイヤーを一人道連れにできたので、よしといたしましょう。「お船はどこに着くのかなか〜♪」と唱いながら、みんなの顔色をうかがうのは、大層楽しかったです。いや本当に趣味悪いゲームです。最高だ。