HOBBY GAMES THE 100 BEST

Hobby Games: The 100 Best

Hobby Games: The 100 Best

  • とってもいい本だったので紹介。
  • 100人のゲーム関係者が、100個のゲームを紹介する素敵なレビュー本。
  • ゲーム関係者といっても、電子ゲームではなく、TRPGやウォーゲーム、ボードゲームの世界の人ばかり*1。『D&D 3E』のモンテ・クックが『クトゥルフの呼び声』を紹介すれば、『MAGIC:the gathering』のリチャード・ガーフィールドが『D&D』を褒めちぎる。では、『MAGIC:the gathering』は誰が紹介しているかといえば、『バトルテック』『シャドウラン』でおなじみジョーダン・ワイズマン。他にもアメリカのスティーブ・ジャクソンが『パラノイア』を紹介してたり、イギリスのスティーブ・ジャクソンは1966年に自費出版されたウォーゲーム『ウォーロード』の思い出などについて語っていたり。非常に興味深い内容です。
  • ボードゲーム業界からも多くのデザイナーが記事を提供しています。前書きからして、『無冠の帝王』クニツィア先生ですし、『操り人形』のブルーノ・フェドゥッティが、『キルDr.ラッキー』のジェームズ・アーネストが、『キャメロット』のトム・ジョリーが(B.Mさんや齋藤くん向けにいうなら『ディスク・ウォーズ』のトム・ジョリーが!)色々なゲームを紹介していたりします。
  • この本は、色々なゲームを知るにも便利ですが、様々なゲームデザイナーのプロフィールや近況を知ることもできるすぐれものです。ぼくは、この本で初めて我らがケン・セント・アンドレがゲームデザイナーであると同時に司書であることを知りました。『エルフェンランド』のアラン・R・ムーンが傑作ウォーゲーム『サードライヒ』のテストプレイヤーだというのは局長から聞いたことがあったのですが、アヴァロンヒルだけでなく、パーカーブラザーズでも働いてたことを知りました。『ウォーハンマー第二版』のデザイナークリス・プラマスが『Over the Edge』や『Feng Shui』、『Underground』(吉井さん大好き!)など微妙なRPGをつくりまくった人だったことも知りました。
  • 他にもマーク・ミラー、グレッグ・コスティキャン、グレッグ・スタッフォード、サンディ・ピーターソン、イアン・リビングストン、マーク・ガスコイン、R・A・サルバトーレ、トレーシー・ヒックマンなどなど、ウォーロックRPGマガジン世代の人には懐かしすぎる名前がずらりと並んでいます。もちろん、今は亡きガイギャックス翁も記事を書いてます。紹介しているゲームは『Metamorphosis Alpha*2』。見事なKYぶり。涙が出てきます。
  • RPGもの、TCGもの、ゲームブックもの、ウォーゲームもの、ボードゲームもの、それぞれに楽しいと思いますが、それらを網羅的に知っている人なら、値段の10倍、いや100倍以上に楽しめるはずです。ぼくの知り合いだと、うちの局長や芝村さん、伊藤悠id:ityou)さんあたりでしょうか*3
  • というわけで、事実上伊藤悠さん向けのエントリなので、ぜひ買って読んでください。よろしく。

*1:オブリビオン』のブルース・ネスミスや『シティ・オブ・ヒーローズ』のジャック・エメントなんかも書いてますよ

*2:TSRのSFRPG。ここから『ガンマワールド』が生まれ、その後『墜落世界』が生まれた

*3:いや、芝村さんなら、この本に書いてあることくらいもう知ってるか